こんにちは!トイロジックでプランナーをしているモノクロです。 『Warlander』ではUI、カスタムマッチやクロスプレイなどのシステム周りを担当していました。 本記事では、『Warlander』の「Rakuten esports cup」開催に向けて、どのように大会運営と連携し、カスタムマッチの機能改修を行ったかご紹介します。

 

カスタムマッチとは

今回ご紹介するカスタムマッチとは、任意のルール・マップで決められたコードを持っている人だけが入れるプライベートなマッチングモードです。 『Warlander』のカスタムマッチ用のコードは権限を持っている人だけが生成することができ、日付やサーバーを指定して予約をすることができます。

また、このモードでは試合には参加せずにフリーカメラで俯瞰しての観戦や、プレイヤーの視点の観戦をすることができます。この観戦の機能を中心にした改修が今回ご紹介する内容になります。

 

ことのはじまり

2024年4月の「Rakuten esports cup」で『Warlander』が採用されることが決定し、大会の進行について開発チームとイベント運営側が何度も会議やテストプレイを重ねました。特にテストプレイでは、配信しながらの100人プレイの処理負荷確認や、観戦カメラの操作担当者による実際の操作検証など、細かくチェックを行いフィードバックをいただいています。

カスタムマッチは社内で少しずつ実装を進めていましたが、配信の操作をしている現場の方にフィードバックをいただいたことで、リリースする前に機能を大きく改善することができました。

 

追加した機能

実際に追加した機能の一部をご紹介します。

 

1.目の前のプレイヤーへの視点切り替え

『Warlander』では、何十人ものプレイヤーが入り乱れて戦闘します。 そのため、フリーカメラで観戦していて、「このプレイヤーの視点を見せたい!」となった時に、視点を切り替えるのがものすごく大変です。他のゲームにあるような順送りの切り替えやスコアボードの名前で探して切り替えるのは、時間がかかってしまいます。

そこで、今回は「フリーカメラ中に中心にとらえているプレイヤーの視点に切り替える」機能を実装しました。

フリーカメラで全体の戦闘を見せてから、生き残ったプレイヤーへの視点へ切り替える、などのフリーカメラとプレイヤー視点の切り替えがとてもスムーズになるような機能です。

切り替えがスムーズになったことで観戦カメラの操作待ちなど戦況に合わない画面を映す時間が減り、視聴者に戦況を動かしているプレイヤーの視点をお届けしやすくなりました。

前回大会でのカメラ切り替え例1 (1:32:56~)
前回大会でのカメラ切り替え例2 (1:48:16~)

 

2.ミニマップの表示内容を強化

80人ものプレイヤーが戦闘に参加してそれぞれの場所で戦っていると、同時に色々なことが起こります。上述したようなオブジェクトの取り合いや城への侵入などゲームの勝敗に関わる重要な情報も同時に複数の場所で発生します。 そのため、イベントの配信に映る観戦カメラのミニマップには通常のミニマップにない機能を追加して改善を行いました。

まず、重要な戦略情報はバナーだけでなく、ミニマップにアニメーションを表示するように追加しました。 この対応によって、マップだけを見ていてもどこで何が起こったか観戦カメラの操作プレイヤーが掴みやすくなります。

次に、観戦中のミニマップサイズを少し大きくし、フリーカメラの位置をマップ上に表示できるようにしました。 これらの対応を合わせることで、ミニマップさえ意識すれば、戦況が動いている場所をカメラで追いかけて撮影することが簡単にできるようになったのです。

その他にも、観戦カメラの操作性の向上や重要拠点にカメラをパッと切り替えるショートカット操作の追加など細かい機能の追加を行い、観戦カメラを操作する方々が試合の盛り上がるシーンを映しやすいよう調整を行いました。

 

まとめ

このような改善によって、イベントは無事問題なく進行しましたし、カスタムマッチの機能も無事リリースできました。 これは会議や相談を重ねて、丁寧に実装を進めたことが良い結果に結びついたのだと思います。

私はeスポーツの競技シーンやゲーム配信を見るのが好きなので、それを普段から話していたことでカスタムマッチを担当することが出来、仕様作成から今回のようなイベントの準備、本番の協力まで、趣味が活きる貴重な経験ができました。

趣味や得意を活かしたい方、ゲーム側から配信を支えてみたい方は、ぜひトイロジックで一緒にゲームを作りましょう!

読んでいただきありがとうございました!

 

著者紹介 モノクロ
トイロジックに新卒で入り、公開時で7年目。1年目からWarlanderに配属され、UI/システム系のプランナーとして、すくすく育ちました。

普段はゲーム配信やFPSの競技シーンの視聴、流行りのゲームをプレイしていますが、時間も目も手の数も足りず、嘆き悲しんでいます。