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ゲームクリエイターを志す、すべての学生の皆さんこんにちは!現在トイロジックでモーションデザイナーをしております、I♡Pandaと申します。これまで4社ほどゲーム会社に在籍し、トイロジックには中途採用で入社しました。
トイロジックでは、『NieR Replicant ver.1.22474487139…』や『FOAMSTARS』において、プレイヤーキャラ、モンスター、NPC、演出カットシーンなど様々なモーションの制作に携わってきました。この度ベテランならではの視点で学生の皆様へのアドバイスができればと思い記事を書かせていただきました。
モーション制作は(いろいろあるけど)楽しい
まず、モーションを作るのは「楽しい!」の一言に尽きます。まだ世に知られていない新しい世界に生きる新しいキャラクター達。
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(販売元:株式会社スクウェア・エニックス)
彼らを自らの手で動かし、命を与え、ゲームの中で動いている姿を見る瞬間は、毎回本当に楽しいです。
もちろん時には、制作の過程で事件も起きます。ゲーム制作現場を描いた漫画などにもよく出てきますが、スケジュールどおりに進めていたものが仕様変更により作り直しになることなどは、本当に日常茶飯事です。昨日までポップで可愛いモーションを作っていたのに、突然ホラーに変えます、という天変地異レベルの変更が入り、データをイチから作り直したこともありました……。
そんな時はやり切れない感情を抑えつつ、データの修正に向き合うことになるのですが、不思議なことに、昨日作ったデータよりも修正した物の方が出来のいいモーションになることが大半なんです。データに触っている時間が長くなるほどに自分の経験値も上がっていく、ということを実感できる瞬間でもあります。(だからと言ってなかなか仕様変更最高!とはならないですけどね!)
様々な日々の変化、紆余曲折はあれど、繰り返した苦労の末に完成したタイトルが発表され、SNSなどで好評を得た瞬間は本当に嬉しいものです。
イメージを伝えやすくするために
モーション班の会話では擬音が使われる場面がよくあります。「ここのタイミング、もうちょっと詰められない?タン、タ、ターンくらいのタイミングで」とか、「見せ場だからもっと尺使って良いよ。グーー……ドン!からのバーン!でアップ」といった感じです。
モーションを魅力的に見せるために、わざとリズムに乗せたり、イメージを共有するために擬音を使います。「モーション班が考える最高の状態」を最短で作り上げるためのディスカッションとして必要不可欠ではあるのですが、たまに擬音が多すぎてお互い我に返って笑ってしまう事もあります。
擬音以外にも、紙に書いたり、簡単な動画を作って先にイメージのすり合わせを行うこともあります。なるべく修正回数を少なくするために、日々意見の交換をし合いながら、モーション作成に取り組んでいます。
ゲームのモーション制作に必要なスキルとは~上手に仕事を進めるために~
モーションデザイナーとして働くにあたり、私が大切だと思うようになったスキルがあります。
- 生き物の動きを理解、研究し、より自然な動きを再現できるようになること?
- 常に最新のツール情報や、ツールの使い方を身に着けるためのアンテナを張ること?
それらもとても大切だとは思いますが、それは個人の能力を高めるためのスキルと考えます。
では、その他に必要なスキルとは?
それは、コミュニケーション能力だと私は考えています。
どんな人とでも仲良くなろう、ということではありません。
ゲーム制作は、一人ですべてを作ろうとすると、なかなか大変な作業量になります。そのため実際には、プランナーやモデラー、プログラマー、モーション、エフェクト、サウンドなど、様々な職種の方と一緒に仕事を進めていくことになりますし、プロジェクトの規模が大きくなるほど、関わる人も多くなります。
- キャラクターがどんなデザインで、どういった動きをする人物なのか。
- 性格は気性が荒いのか、穏やかなのか、特殊な能力があるのか。
- プログラムに載せられる骨数の上限は?
- 魔法を使うキャラクターなら、身体のどの部分から魔法が出るように仕組みを作る必要があるのか?
キャラクターに合ったモーションを作るためには、事前に得られる情報が多いほど、「求められた動き」を作る近道になると思います。近道が見つかれば自分の時間も有効に使えるようになり、結果、たくさんのアウトプットができるようになるのです!
できる限り上手に仕事を進めるために、各セクションの方から少しでも多くの情報を引き出すためのコミュニケーション能力、——具体的には、打合せ中の会話から大事な要素を瞬時に聞き分けたり、「プロジェクトが求めているモーションの方向性や必要な要素」を引き出すために、的確な言葉選びで質問を投げられたり聞き分ける力——を養うことが大切なのではないか、と思っています。
学生の方へのメッセージ
いくつかのゲーム会社を経験した私から見て、トイロジックは制作のための環境作りや福利厚生の対応が充実している会社だと感じています。近い将来、同じチームとして働くことになるかもしれません。その際は是非、擬音を駆使しながら身体を動かしつつ、効率よくイケてるモーションを一緒に作っていきましょう!
是非エントリーをお待ちしております!