
こんにちは、トイロジックでエフェクト制作を担当しているKと申します。今回は、ゲームの演出でよく目にするエフェクトについてお話ししたいと思います。
ゲーム内で頻繁に目にするエフェクトについて
ゲーム内で頻繁に目にするエフェクトとして、ヒットエフェクトや風切りエフェクトが挙げられます。
これらのエフェクトは一見シンプルに見えるものの、細部にまでこだわりが詰まった重要な要素です。今回は、その制作において特にこだわったポイントを一部ご紹介します。
衝撃波のこだわり部分
衝撃波は、ヒットや爆発といったエフェクトにおいて頻繁に使用される重要な要素です。その制作方法には、ビルボードを用いたスプライトアニメーションやモデルを使用する手法があります。今回は『FOAMSTARS』(販売元:(株)スクウェア・エニックス)で使用されている衝撃波をご紹介します。
プレイヤーにキックされた泡玉が吹き飛ぶ際にでている白色の衝撃波です。
動画で紹介している衝撃波で使用しているモデルの制作方法についてご紹介します。
まずは、通常の衝撃波と、ひと手間加えた衝撃波のモデルを見比べてみましょう。
▼通常時のUV
▼ひと手間加えた時のUV
参考画像をご覧いただくとわかるように、同じモデルを使用していても、UVマッピングの工夫によってテクスチャの広がり方に緩急をつけることで、より迫力のある衝撃波を制作することが可能です。
またテクスチャを2枚使い重ねる際に、メインテクスチャ(1枚目)のUVスクロール速度に対して、あえてサブテクスチャ(2枚目)に遅めのスクロールを設定することにより、自然な演出になるように調整を加えています。
風切りエフェクトのこだわり部分
ここで言う風切りエフェクトとは、キャラクターやオブジェクトが高速で移動する際に発生する風の流れを視覚的に表現したエフェクトのことです。主にスピード感や動きのダイナミズムを強調するために使用され、ゲーム内ではキャラクターが走ったり、飛んだり、滑ったりするシーンでよく見られます。『FOAMSTARS』では、キャラクターがスライドボードで滑走する際、キャラクターの前方から風が流れるようなエフェクトを取り入れています。
上の動画で使用している風切りエフェクトをベースにこだわったポイントについてご紹介します。
▼モデル


上記の画像のように、モデルの形状やUVの重なりに工夫を凝らし、1枚のテクスチャがタイリングされている感を少しでも緩和しています。また、エフェクトエディタ側では生成されたときに同じ形で連続して表示されないように意識して制作しています。これにより、動きに変化を加え、より自然でリアルな風の表現を実現しています。
こうした細かな調整が、全体のクオリティを大きく引き上げる重要なポイントとなっています。
最後に
いかがでしたでしょうか、今回は一部ですが「エフェクト用モデル制作のポイント」を紹介いたしました。
ご紹介した内容を意識すればクオリティアップを行うことができます。是非みなさんも試して見てみてください!
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