こんにちは、イトーです。企画やってます。
最近だと『NieR Replicant ver.1.22474487139…』というゲームのディレクターやってました。

若い企画スタッフと話しているとよく「どう勉強して、腕を磨いていけばいいのか分からない」と相談されます。わかるよ。というか俺も知りたい。

そもそもエンジニアでもアーティストでもない「企画」という職種自体がナゾなのに、いわんやそのレベルアップ方法をや。イトーもいまだ答えは持たぬ身ですが、自分が日々続けている習慣の一つを共有するだけでもナニカの参考になるかもと思い、このたび筆を執りました。

私の習慣。それはTwitter。そう、毎日Twitterをしています。おしまい!

 

もう少し補足します。

イトーは日々ゲームを遊んでいる中で、「オッ」と思う瞬間があるたび直前のゲームプレイを録画して、Twitterにアップロードしています。「手軽に・すぐ記録できるもの」なら別に何でもいいんですが、今はPS5とかNintendo Switchの本体機能でカンタンに録画できるので、それを使ってます。(記録先は何でもいいけど、イトーはTwitter廃人なのでTwitterに上げてます)

例えばこんな感じ。
 
 

God of Warムキムキな戦争の神クレイトスが敵を虐殺してまわる神話的名作アクション

空から注ぐ光の帯が、空間の広がりと神々しさを感じさせて、何というか……エモいね!

16秒から先のバトルシーンではクレイトスさんが遠くの敵を倒すたび、カメラが揺れていることにお気づきでしょうか? 派手な破裂エフェクトも大事だけど、こういう細かい積み重ねが「敵をぶっ倒した!」という暴力的な手ごたえを作っているのだと感じます。
 
 

KnockOut City4on4 対戦型エクストリームドッジボール


移動中に慣性で身体が傾くのって……イイヨネ!

身体を左右に傾かせて柔軟な動作と疾走感を演出するゲームは世の中にけっこうありますが(アストラルチェインとか……イイヨネ!)、ジャンプ中に、しかも前後左右のいずれにも傾くゲームはあんまり見たことない気がします。これによって「画面奥にいるターゲットを常に見据えつつ、街をアクロバティックに跳び回って射撃する」という本作ならではの魅力を一層促していると感じます。
 


 
企画屋のくせにここまでゲームシステムではなく映像の話ばかりしてますが、それはイトーが「よい体験を作るために、よい映像を作ることは避けて通れない」と思ってるから。

もちろんゲームデザインにおいて大事なコトは他にも無数にありますが(ゲームループとか感情曲線とかサウンドとかたくさんあるんですよあー大変)
ゲームが画面を通じて体験するものである限り、「体験をよりよく伝えるための画作り」はアーティストでなくとも無視できない存在だと思います。

そんなこんなでイトーは普段から「イイな」と思った瞬間の映像をTwitterに蓄積し、ときどき見返すことで、ゲーム作りにおける映像的感性を鍛えようとあがいています。

その効果かはさておき、昔よりは「脳内でイロイロな要素を組み合わせて、まだ見ぬゲームの映像を想像する」とか「世の中のゲームのビジュアルクオリティラインを肌感で掴む」ってことができるようになった気がします。多分。

最後に

あくまで本稿は一例です。ゲームデザイン畑はあまりにも広大なので、あなたがやりたいこと次第ではもっと別のトレーニングをすべきかもしれません。ですので、皆さんも自分に合ったイイ感じのトレーニング法を探してください。

そしてイイ感じのトレーニング法が見つかったらTwitterでイトーにも教えてください。おしまい!

著者紹介 伊藤佐樹 / Saki Ito
2012年にトイロジックに新卒入社。『Happy Wars』で運営・移植ディレクター、未発表タイトルでリードアクションゲームデザイナーを担当の後、『NieR Replicant ver.1.22474487139…』にて開発ディレクターを務める。