こんにちは! 新人プログラマーのS.Gです。
このトイログを読んでくれている方の多くは、ゲーム業界を目指している学生さんだと思います。そのなかには就職の書類選考に向けて、どのようなポートフォリオを作れば良いのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。そこで今回はポートフォリオの参考として、23卒プログラマーの提出作品とその評価内容をご紹介しようと思います。
S.Gの提出作品
まずは私S.Gの提出作品から。『Knight VS Ninja』はUnityで作られた3Dアクションゲームです。倒した敵を2人まで仲間にできるシステムが特徴的で、強い仲間を集めながら城の最上階を目指すゲームになります。
これに対する評価は以下のようなものでした。
高評価ポイント
- HUDの表示や回復/蘇生/バトルの制御はそれなりに行えており、ゲームでやりたいことが実現できている。
- 倒した敵を蘇生させてAIで動かすアイデアは面白い
- コードにコメントがそこそこ書かれている
改善ポイント
- exeファイルが起動できないため、Youtubeからしか内容が確認できなかった
- コメントアウトが大量に残っており、コードが読みにくい
- アニメーションやエフェクトにはもっとこだわってほしい
- 同じコードがコピペされている箇所が多い
なんと…! 私のゲームはexeが起動できていなかったようです。しかしプレイ動画や解説ドキュメントを送っていたので、そこから評価されています。AIを仲間にするゲームシステムと、それなりにゲームとして遊べるように作っていたことは高評価。見た目の作りこみが浅いことと、コードが整理されていないことが低評価に繋がってしまったようです。皆さんが作品を提出する際には、あらかじめ読みやすくコードを整理して、exeの起動確認を行うことを推奨します。
H.Sの提出作品
続いてはH.Sの提出作品です。
『Labyrinth』はUE4のブループリントで作られた3Dパズルアクションゲームです。さまざまなギミック・魔法を駆使してLabyrinthの謎を解き、隠された財宝を探すことが目標になります。
これに対する評価はこのようになりました。
高評価ポイント
- ひとつのゲームとして成立しており完成度が高い
- パズルの解き方を考える楽しさや、解けた時の喜びを体験できる内容になっている
- UIやチュートリアルが段階的に入っており、プレイヤーの導線がしっかり作られている
- アニメーション、モーションにこだわりが見られる
- 謎解きのバリエーションが豊富で、かつ魔法の個性を活かせている
改善ポイント
- キャラクターブループリントのイベントグラフが巨大
- 同種のオブジェクトの量産を継承の利用ではなくコピーで行っている
- 全体的に動作が重い。SEとBGMの音量の偏り、SEやエフェクトの遅延がある
全体的なゲームとしての完成度が高いという評価でした。特にパズルゲームとして謎・ギミックのクオリティが高いこと、チュートリアルなどプレイヤーに対する配慮ができていることが高評価に繋がったようです。しかしコード分割がうまくできていないことは低評価とされています。
やはりゲーム作品は面白くて遊びやすいことが重要なので、チュートリアル等の導線は積極的に取り入れていただきたいです。
羊師匠の提出作品
最後に羊師匠の提出作品です。
なんと、Unity製のゲーム6作品・非ゲーム7作品も提出しています。特に見て欲しいと指定された上位3作品(対戦、2Dアクション、放置系)のみ評価されているようです。
高評価ポイント
- C++のポインタやテンプレートなどの基礎的な部分が理解できている
- Portalのようなオブジェクト移動機能を自作するなど、作品ごとに技術的な挑戦がみられる
- 作品数は多いがアピールしたい作品の序列を提示しているほか、ゲームの遊び方をわかりやすく説明した動画を添付するなどの配慮がある
改善ポイント
- Unity作品のほぼ全てのクラスでMonoBehaviourを直接継承している
- ソースコードにマジックナンバーが多く、コメントがほとんどない
プログラマーとして基礎力がある上で、作品ごとに技術的な挑戦が見られたことが高評価を受けています。また非ゲームの作品では複数のプログラミング言語に習熟していると評価されたようですね。しかし不必要な継承があり、コードの拡張性が低いことは評価を下げてしまったようです。
専門的な知識を持っている方であれば、ぜひ得意分野を活かせる作品を作ってみてください。また解説ドキュメントは評価者を意識してしっかりと作りこみましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回の記事では、3人のプログラマーの提出作品をご紹介いたしました。
トイロジックの新卒採用では、ジャンルを問わず色んな作品が評価されていることがお分かりになったかと思います。お手持ちの制作物に対して「これは出せるかな?」とお悩みの方も、ぜひお気軽に提出してみてくださいね。
皆さんの素晴らしい作品を楽しみにしています!